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1099話

帰り道で、ウズラは唐突に林川に尋ねた。

林川は一瞬固まって、「あ」と声を上げた。「何の考えって?」

ウズラは前方を見つめたまま、にこやかに林川に言った。「何か考えてるでしょう?教えてよ。平兄さんからも頼まれてるんだ。あなたは少し感情的なところがあるから、あなたの気持ちに配慮するようにって」

林川は手のひらを広げ、窓の外を見た。「何も考えてないよ。強いて言えば、兄貴に悪事に引きずり込まれた気がするってことかな。もう今さら抜け出すなんて不可能だよ。この頃ずっと考えてたんだ。俺たちって一体何をしてるんだろうって。俺たちは悪の組織なのか、それともただのビジネスマンなのか。くそっ、もう自分でも定義できな...