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1093話

林川は一言も言えなかった。生まれてこの方、こんなに恥ずかしい瞬間は初めてだった。

うつむいたまま洗面所を出ると、思い切り壁を殴りつけた。痛みで涙が出そうになる。くそっ、これでもう彼女の顔を見る勇気なんてない。

洗面所の水の音がしばらくして止んだ。萱萱が洗面所から出てきた。薄暗い灯りの下、すらりとした白い脚が林川の視線を奪い、思わず喉が鳴った。

視線は自然と上へ移る。彼女の下着は水に濡れてしまい、元々薄手の生地が今ではほぼ透けて見え、雪のように白い太ももにぴったりと張り付き、たまらなく魅惑的だった。

この女性は色気という点では、秦悦にも引けを取らない。

彼女が出てきた時の表情は、まるで...