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909話

王珊は目の前の李有金の素朴な顔を見つめていた。その笑顔は、一見すると世間知らずの無骨な中年男性のようだった。もし今夜、李有金の秘密を発見していなかったら、きっとこの実直な顔に騙されていただろう。

先ほどの屋上での刺激的な光景を思い出し、王珊は思わず視線をそらし、李有金のパンツの膨らみに一瞥を投げかけた。

そして言った。「さっき資料を送りに来たの。帰ろうとしたところで電話がかかってきて、道の角まで行っていたの。もう用事は済んだから帰るわ。老李、あなたも早く休みなさいよ」

王珊は李有金に先ほどの出来事を直接言い出す衝動を必死に抑えていた。むしろ彼と一緒に警備室に行き、この粗野な男と新たな駆け...