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784話

李有金がこの久しぶりに見る若い女性を見つめ続けている間に、彼女もゆっくりと交差点のこちらまでやってきた。

花壇の横の階段に座っている黒い影を見たとき、老黄の月嫂は恐怖を感じて一瞬立ち止まった。

「怖がらなくていい、周晴、私だ、李おじさんだよ」

その時、李有金が歩み寄り、老黄の月嫂に声をかけた。

体格のいい李有金の顔をはっきりと認識できた時、老黄の月嫂はようやく少し緊張を解いた。

次の瞬間、夜にこっそり雇い主を訪ねてきたこと、しかもその雇い主の同僚に知られてしまったことを思い出し、老黄の月嫂の顔は恥ずかしさで赤く染まった。

「おじさん、いたんですね」

老黄の月嫂の純粋で恥ずかしそうな顔は、街灯の...