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71話

「鍵はないよ」と李有金は両手を広げて頭を振った。

蘇櫻が美しい目を見開くと、李有金は首をすくめた。それでも恐る恐るもう一度言った。「本当に鍵がないんだ。嘘じゃないよ」

蘇櫻は小さな唇を尖らせ、ぶつぶつと言った。「じゃあどうするの?この小さな鍵、結構古いものだから壊したくないわ。木箱もそうかもしれないし」

李有金は箱の中身について蘇櫻に話した。実はあまり大したものは入っていない。苗柳がその時着ていた服だ。事故が起きたことを他人に見られないように着替えさせて、中に入れておいたのだ。

蘇櫻は「ああ」と一言呟き、表情が少し沈んだ。

李有金はさらに続けた。今日君が見つけなければ、こんな箱がある...