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486話

この瞬間、李有金は呆然と立ち尽くしていただけでなく、恐怖に何をすべきかわからなくなっていた。李雅も夢にも思わなかった状況に陥っていた。

李有金は緊張のあまり両足が震え、先ほどまでの素晴らしい感覚は恐怖に取って代わられていた。

電光石火の間に、李有金は怯えて二歩後ずさり、バルコニーの方へ行き、自分の姿をカーテンの陰に完全に隠した。王強に見つからないようにするためだ。

一方、李雅は王強の顔に押しつけた瞬間、感電したかのように跳ね上がった。この時の李雅は緊急事態の中、全身の力が抜けていることも気にしていられなかった。

王強はうーんと二度ほど唸り声を上げ、頭を揺らした。目を覚ましそうな様子だ。...