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42話

先ほどの衝撃的な光景から現実に引き戻されたのも、これ以上蘇櫻の身体を見ないようにするためだった。

今思えば、あのとき蘇櫻が声をかけてくれなければ、自分はずっと見続けていたのではないか。

そうなれば、よからぬ考えが浮かんでくるかもしれない。もっと恐ろしいのは、してはならない行動に出てしまう可能性だ。

そう思うと、李有金は苦しくなって頭を抱えてしゃがみこみ、止めどなく涙が流れ出した。

洗い場から衣服を洗う音が聞こえ、先ほど洗濯をしていたとき蘇櫻の下着が隣の盥に浸けたままだったことを思い出した。忘れて洗わなかったのだ。

今は蘇櫻が自分で洗っているのだろう。そう思うと李有金は「自分が洗いましょう」と言...