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40話

李有金は断ることができなかった。このような事はすでに蘇樱から言い出されたのだから、自分が拒否したり、もじもじしたりすれば蘇樱をさらに恥ずかしい思いにさせるだけだ。

それは女性を傷つけることになる。そのくらいのことは李じいさんにもわかっていた。

李じいさんは躊躇わずに前に出て、「失礼します」と一言告げた。

そして手を伸ばし、お姫様抱っこの形で蘇樱を抱き上げた。

蘇樱は両手を胸の前で縮め、顔はこれ以上ないほど赤くなっていた。

李有金の手が蘇樱の柔らかい腰に触れ、自分がこの状況にどんな心持ちで向き合えばいいのか分からなかった。

以前も湖畔から同じように蘇樱を抱いて戻ってきたが、あの時はこんな甘美な感...