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289話

蘇櫻は慌てて片手で口を押さえ、声が漏れるのを防ごうとした。だが、突然の満足感に、指の隙間から微かな声が漏れてしまう。

静かな小さな中庭に、パンパンという衝撃音が響く。本来なら大きくない音も、この静かな夜にはあまりにも鮮明に聞こえてしまう。

李有金はすでに欲望の高まりの中にあり、蘇櫻の吐息に気を遣う余裕などなかった。

蘇櫻も最初こそ声を押し殺そうとしていたが、次第に欲望に支配され、嬉しそうな声が徐々に大きくなっていった。

李有金はこの密事のような行為に特別な刺激を感じていた。

一方では誰かに聞かれるのではないかという恐れ、もう一方では蘇櫻の身体の反応に魅了され、もはや抗えない。

この生涯...