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274話

李有金は魅惑的な赤い唇に心を乱され、再びその唇を捉えた。「ちゅるちゅる……」と水音が再び響き渡る。

冯音は次第に体が熱くなり、奇妙な感覚に包まれていった。彼女は単なるキスだけでこれほど情欲が掻き立てられるとは思っていなかった。

この衣装のせいかしら?

それは初めての夜の状況を思い起こさせた。満足できなかったあの行為。あの夜、初めて自分の目が誤っていたのではないかと気づいた。

彼は良い人だけど、完璧な人間なんていない。その遺憾が今この瞬間に埋められるかもしれない。

冯音は全身全霊で李有金に応え、再び唇を離した時、二人の唇の間には一筋の銀糸が繋がっていた。冯音はうっとりと「あなた……」と呟いた。...