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212話

李有金と一緒に早くから起きていた。

夫に心配りをして色々と言い聞かせた後、一万元を渡した。必要な時には遠慮せずに使うようにと。

李有金は断らなかった。

最後に蘇櫻は名残惜しそうに出勤した。

本来なら蘇櫻の言う通り、休暇を取って彼を駅まで送ってから出勤するつもりだった。しかし李有金が同意せず、結局諦めるほかなかった。

蘇櫻が出て行くと、李有金も寝室に戻った。お金は全て彼女の枕の下に戻し、自分の衣類だけを持って行った。

この部屋には彼の物は何一つ残っていない。そもそもここに彼がいるべきではなかったのだ。

李有金は部屋を見回し、忘れ物がないことを確認してから小さな鞋を持って寝室を出た。

二番目の寝室...