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179話

「私、今日はもう入っちゃったわ。冷たくまた追い出そうなんて思わないでしょう?」

「あら。テーブルももう準備されてるじゃない。ワインまで開けて。何かお祝いでもあるの?」

蘇樱は母親の質問に一切答えようとしなかった。

李有金もどうしようもなく困っていた。

本来は二人きりで過ごすつもりだったのに。この蘇樱の母親は本当に空気が読めない。無理やり二人の間に割り込んでくるくせに、自分では気づかずに帰ろうともしない。

仕方がない。蘇樱に目配せするしかなかった。

蘇樱も、一度入れてしまったからには追い出すのは良くないし、簡単でもないとわかっていた。

だから自分の体調が完全に回復したお祝いで、二人で少し飲むつも...