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178話

「田んぼはもう荒れ果ててるでしょうね」

蘇櫻は名残惜しそうに、再び手で額を押さえ「あいたっ」と声を上げ、ふらりと体を揺らして隣の椅子に倒れ込んだ。

李有金はすぐにテーブルを回り込んで彼女を支え、緊張した様子で尋ねた。「どうしたんだ?」

蘇櫻は言った。「わからないけど、急に頭がくらっとして...」

李有金はさらに焦り、120番(救急)に電話しようとした。

蘇櫻は慌てて止め、自分の体がまだ完全に回復していないだけで、時々こういった目眩があるのだと説明した。しばらく運動を続けて体力が戻れば良くなるだろうと。

李有金は疑うことなく、帰郷する考えを再び諦めた。

小さな策略が功を奏した蘇櫻は、内心でほくそ...