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991話

高麗は私を見つめ、怒りで全身が震えていた。

おそらく彼女の美貌と抜群のスタイルのせいで、こんなふうに一人の人間、それも男に拒絶されたことなど一度もなかったのだろう。

もし私がセラピストでなかったら。

あれほど多くの女性を診てきた経験がなければ、本当に高麗の魅力に取り憑かれていたかもしれない。

問題は、私が正真正銘のセラピストだということだ。当然、美しさに目がくらむようなことはない。そんなことになれば、これからどうやって患者の治療ができるというのか!

高麗はやはり聡明な人間で、すぐに我に返り、ちらりと私を見て言った。「言いなさい、何が欲しいの」

私は高麗の美しい体を上から下まで眺め、顎...