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975話

「彼女は車のドアを開けて、私をそのまま押し出した。

そして、車を走らせて去っていった。一人で道端に置き去りにされた私は、ちょっとした不満を感じた。一晩中あんなことをしたのに、まだこんなに気が強いなんて。懐かない狼も、なつかない女も同じか。

私は首を振って気にしないことにした。今夜やるべきことはやったしな。

おまけに高龍をイラつかせることもできた。スッキリだ。

ただ、ここがまだ高架橋の上だと気づいて眉をひそめた。ここは車が停められないし、この橋を歩いて渡るのもかなりキツそうだ。

まあ、これも牡丹の花の下での代償というところか。

頭を振りながら、とりあえず橋を歩いて降りようとしたその時...