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970話

高麗は一体何をするつもりなんだ!

彼女が本当に俺に惚れたというのか。確かに俺はかなりイケメンで、自信満々ではあるが、女が俺を見るなり惚れるとまで思い上がってはいない。高麗とは今まで二回しか会ってないんだぞ!

技術だ、きっと俺の高度な治療術に感銘を受けたに違いない。そうに決まっている。

「リリ」

試しに呼んでみた。こんな親しげな呼び方をすると、思わず顔が赤くなる。

高麗も頬を赤らめながら、同時に少し眉をひそめた。明らかにこの呼び方をあまり気に入っていない様子だ。なのになぜ俺にリリと呼ばせるんだ?

「何か隠し事があるだろう?」俺は彼女を見つめて再び尋ねた。

「リリ」

そのとき、突然...