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946話

「どんな女性であれ、自分の貞操に対しては同じ思いを持つものだ」

彼女のそんな様子を見て、私は何と言えばいいのか分からなくなった。

考えれば考えるほど気が滅入る。

元々は桑語晨を覗きに来ただけなのに、まさかこの上の階にこんな美人がいるとは!

しかも人の入浴を覗いてしまうなんて。

一番腹立たしいのは、あの浴室のドアが自動だったこと。開いていたら気づいたはずなのに。

人の入浴を覗いて、現行犯で捕まるなんて。

これが大事になれば、わいせつ罪で何年か刑務所行きは免れない。

だめだ、絶対にまずい。

眉をひそめながら、必死に解決策を考える。

セラピスト、そうだ、セラピストだ。

私は頷く...