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817話

「あっ……」

静姉は言いかけて顔を真っ赤に染め、続きを飲み込んだ。言いたいことは分かっていたから、苦笑いしながら言った。「静姉、ごめん。我慢できなくて」

「はぁ……」静姉は一度深くため息をついた。「実は、あなたを責めてるわけじゃないの。気持ちも分かるけど、でも、でも……はぁ、なんて言えばいいのか私にも分からない」

静姉は手を振って言った。「小寧、私たち、前と同じように仲良くできる?」

心の中では、もう二度と前には戻れないと分かっていた。でも、静姉をずっと失うのが怖くて、頷きながら答えた。「うん、静姉はやっぱり僕の姉ちゃんだよ」

その言葉に静姉は急に明るい表情になり、力強く何度も頷いた。...