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712話

代々の梅女将はそれぞれ特色があるものだ。おそらく、今の梅女将は本当に死ぬ覚悟を持っていたのだろう。

「よろしい。あなたの願いは全て叶えましょう。死後は墓に戻る必要はありません」

梅女将の最後の言葉を聞いて、白雪は少し躊躇った後、ようやく心を落ち着かせた。

白雪のこの決断に、その場にいた全員が沈黙した。阿猛は梅女将の遺体を抱えて祠堂を後にした。

誰も想像できなかっただろう。かつて颯爽と英姿を誇り、群雄を叱咤した一代の梅女将が、こんな結末で生涯を終えるとは。

改めて考えると、彼女の選択に私は思わず嘆息せずにはいられない。

あの心を全て猛兄のような江湖の豪傑に託したことが、果たして価値あ...