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672話

そして彼らの話によると、誰かが警察に通報したらしい。

「もう、ここのことは警察に任せましょう。小寧、行きましょ」

私が反応する間もなく、李倩は突然私の腕に手を回し、前方にある「ケンタッキー」のレストランへと引っ張っていった。

彼女はとても活発で、歩くたびに後ろの馬尾ポニーテールが揺れ動き、それが特に愛らしく見えた。

だが、このまま立ち去ることに、李倩のそんな言い方を聞いて、私はどこか不快な気分になっていた。

都市の端で必死に生きる貧しい人々に、私は本当に同情している。しかしそういう人たちのことを、李倩にはきっと理解できないだろう。

「どうしたの、小寧?こっちに来て写真撮ってくれない...