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608話

この普通の三階建ての洋風建築を前にして、李倩はやや緊張している様子だった。おそらく今日の商談がうまくいかないのではないかと心配しているのだろう。しかし私は少しも心配していなかった。

「やぁ、李社長、わざわざ中州からはるばる上海までこの商談のためにお越しいただいて、本当に恐縮です」

李倩が事務所に入ると、蕭笑はすでに質素なロビーで待っていた。蕭笑は上海郊外にこの三階建ての建物を持っているだけだが、ここの不動産の固定資産価値は中州よりもはるかに高い。

李氏グループが上海郊外にこのような拠点を持とうとしても、おそらくその実力はないだろう。

「蕭社長、お気遣いなく。今日はこのような機会を与えて...