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602話

他の人たちを追い払い、後には私と凌少の二人だけが残った。

「行こうぜ、兄弟。面白いところに連れて行ってやるよ」

二人きりになると、凌少は突然私の首に腕を回し、そのまま数里の道のりを歩いた。

数里歩いた後、カラフルな建物が私の目の前に聳え立っていた。

その建物の看板には「凌煙閣」という三文字が書かれており、中から聞こえる狂ったような音楽から、ここがナイトクラブであることは容易に想像できた。

武術に打ち込む凌少のような人間がナイトクラブに足を運ぶとは、生涯で初めて見る光景だった。

「さあ入ろう。中は絶対気に入るぜ」

私がまだ躊躇していると、凌少に一気に「凌煙閣」の中へ引っ張り込まれた。この「凌煙閣...