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568話

でも、俺の心が言ってる。そんなことはできないと。すでに女性関係で多くの借りを作ってきた俺は、秋桃までも俺の毒に当てたくはないんだ。

「寧お兄ちゃん、どうして私をぎゅっと抱きしめてくれないの?私はもう、お兄ちゃんの毒にとっくにやられちゃったの。この先、きっと治らないわ。だから寧お兄ちゃん、必ず私のそばにいてね。そうじゃないと、私、すぐに死んじゃうから」

俺の腕の中で横たわりながら、秋桃はそう情感たっぷりに語りかけてきた。その言葉を聞いて、俺は内心で思わず苦笑いした。だけど秋桃の好意を断る勇気はなかった。本当に彼女が何か考え詰めることが怖かったんだ。

こうして強引に俺にまとわりつこうとする美...