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56話

「分かったわ、先に行って」女は服を着ながら頷いた。

男は服を着終えると、腰をかがめて小さな林の反対側から抜け出した。女も服を着終えると、顔に嫌悪感を浮かべて独り言を言った。「毎回五、六分しかないくせに、土下座させるとか言って。班長の職位のためじゃなきゃ、死んでもこんな男とは関わらないわ」

そう言いながら、現場を片付けてから、慎重に外へ出ていった。

二人が去ったとたん、叔母さんは思わず舌打ちした。「あの二人、ホテルの従業員だったのね。勤務中にこんなところでこんなことするなんて、本当に恥知らずね!」

「はははは、こういうのも人情ってものじゃないか」と僕は笑った。

叔母さんは首を振って言っ...