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444話

「さっきは俺のこと卑しいって言ってただろ?今から本当の卑しさってやつを見せてやるよ」

私は怒りの全てを豹兄(ヒョウにい)にぶつけた。店内で夜食を食べていた客たちは、この光景を目の当たりにして唖然としていた。

この辺りの事情を知っている人は多く、豹兄がこの一帯でどれほど恐れられているかを知っていた。しかし、私のような若造に散々に痛めつけられるとは誰も想像していなかっただろう。

「うっ、俺が卑しくないならお前が卑しくていいから、勘弁してくれよ!」

私に殴る蹴るの暴行を受け、豹兄は涙を流して命乞いをした。

まさか豹兄のような地区の黒社会のボスが、私のような一介の運転手に命乞いするとは思いも...