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404話

反対に、私は席に座ったまま、時折この美女を眺めながら、リズミカルに奏でられる琵琶の音色に耳を傾け、この上なく心地よい気分に浸っていた。

「秋桃、今日は俺が君を貸し切るよ。『百花園』での一日の給料はいくらだ?倍額を払うから、俺と一緒に過ごさないか?」

私のレモン水はまだ飲みきっておらず、秋桃の曲もまだ終わっていなかった。

突然、入口から一人の男が駆け込んできた。金ぴかの装飾品を身につけ、「パシャ」という高級ブランドの眼鏡をかけた彼は、一目で裕福な家庭の二世、つまり若き坊ちゃんだとわかった。

彼は店に入るなり秋桃の手を引っ張り、興奮した表情で彼女を連れ出そうとした。

「孫王、あなたについ...