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52話

「しかし今見ると、蕭家唯一の血脈である彼には、確かに並外れた何かがあるようだ」

彼の身体には霊の気配はないものの、その意識の波動はかなり大きく感じられる。

どうやら注意深く観察する必要がありそうだ。

そのとき、蕭老はすでに車椅子から立ち上がり、集中治療室へ入っていった。

全身に管を何本も刺された蕭沐を見て、悲しみが込み上げ、濁った涙が頬を伝った。

三十年前、霊契の蕭家は並々ならぬ家系だった。知る人は多くなかったが、この家系を知る者は皆、一目置く存在だった。

だがわずか十年の間に、戦死する者、暗殺される者が相次ぎ、残ったのは世間から見向きもされない幼い蕭沐と、この風前の灯火のような老骨だけとな...