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369話

「はい、これはあなたに。」

庄科長は銭康に向かって言った。目の前のキャッシュカードを見つめる銭康は、一瞬どう反応すべきか分からなくなった。

「庄科長、これはどういう…」

銭康は非常に慎重に尋ねた。彼はとても金に目がなく、それほど学校教育も受けていなかった。

しかし、大きな利益を捨てて小さな利益を取るような愚かなことはしないという道理くらいは理解していた。

庄科長は銭康の視線がずっとあのキャッシュカードに釘付けになっているのを見ていたが、彼の手はまだ伸ばす勇気がなかった。

銭康のこの様子を見て、庄科長は心の中で彼を少し見直した。思いのほか、銭康は自...