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363話

大強と小軍が組長の部下の中で最も忠実で、最も戦闘力があることは周知の事実だった。通常、組の誰かが過ちを犯した場合、組長は自ら手を下すことはなく、常に大強と小軍に処罰を任せていた。

その若い警備員は大強と小軍が蕭沐に向かって歩いていくのを見て、目に心配の色を浮かべた。しかし彼が心配していたのは蕭沐ではなく、大強と小軍のほうだった。昨日、蕭沐を見かけた時に見覚えがあると感じ、帰ってから慎重に考えてみたのだ。

そして彼は突然気づいた。蕭沐こそが林総のバッグをひったくり犯から取り戻した英雄だったのだ。あの日、彼は街で偶然林総に出会い、挨拶しようとした矢先、ひったくり犯が林総のバッグを奪うのを目撃し...