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288話

萧沐は黙って座り込んでいた。一見すると万事休すといった様子だが、実は今の彼の思考は、かつてないほど活発だった。

この中東への旅は、彼に多くの気づきをもたらした。例えば、生きているということに比べれば、他のすべてのことは些事に過ぎないということだ。人間とは、まるで生命力旺盛な胡楊の木のようなものだ。死ななければ、どんな形でも生き続けることができる。それどころか、ますます鮮やかに生きていける。

これからの獄中生活で自分はどうすべきかと考えていた時、外から二人の警察官の会話が聞こえてきた。

その二人の会話は実際にはそれほど大きくなかったが、萧沐の感覚が今や非常に鋭敏になっていたため、こうもはっきり...