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250話

「お前たちがきっと考え不足だろうと思っていたよ。双眼鏡を持ってくるべきだって分からなかったんだろ?ほら、貸してやる」

砂丘の上で、葉希芊はそう言いながら、ポケットから小さな双眼鏡を取り出し、蕭沐に手渡した。

蕭沐が手を伸ばそうとした瞬間、下で対峙している両勢力のうち、右側にいる少人数の一団の中で、ある人物の手に突然赤い旗が現れるのが見えた。

蕭沐の心臓が「ドキン」と跳ねた。あの鮮やかな赤色は、あまりにも見覚えがある。「双眼鏡はもういらない。確信した。右側のあの部隊は間違いなく我々の華夏の部隊だ」

「何ですって?」

「本当なの?」

柳寒烟と葉希芊が...