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219話

肖沐は頭を少し傾げた。鞭が彼の耳元をかすめ、肖沐はその風圧さえ感じ取ることができた。

彼はさらに右に身をずらし、鞭は彼の左側の衣服に沿って滑り落ちた。

鞭の返しが肖沐の左腕の袖を引き裂いたが、肖沐自身は少しも傷を負わなかった。

しかし、肖沐は眉をきつく寄せた。自分の服が破られたことは、実に許し難いことだった。

肖沐の右側から襲ってきた男は、肖沐が自分の短剣の下に全身をさらけ出したのを見て、内心喜んだ。

だがその喜びも長くは続かなかった。肖沐はあっさりと両手を合わせて彼の短剣を挟み込み、左側へ強く投げ飛ばした。左側にいた男の刀が、投げ飛ばされた体に見事に命中した。うめく暇さえなく、彼は...