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211話

柳寒烟は萧沐の視線の先を追って、急いで小さな男の子に手を振り、さよならを言った。

三人家族の後ろ姿が見えなくなると、柳寒烟は萧沐の方を振り向いて尋ねた。「何を感じたの?」

萧沐は首を振って言った。「何でもないよ。早く部屋に戻ろう。この赤い絹をすぐに結ばないと」

柳寒烟の注意は萧沐によって上手く逸らされ、彼の言いかけた言葉を追及するのをやめ、代わりに萧沐の手を引いて急ぎ足で戻り始めた。

萧沐は柳寒烟のペースに合わせながらも、あの三人家族が去った方向を見つめ続け、心の中の疑問は深まるばかりだった。

「萧沐、何ぼんやりしてるの?もっと早く歩けないの?」

萧沐があの三人家族の去った方向をずっと見ていた...