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120話

蘇怡玟は幼い頃から人より嗅覚が優れていた。多くの人が感じ取れない、あるいは見過ごしてしまう匂いも、彼女にははっきりと嗅ぎ分けることができた。

中学生の頃、母親と香水の発表会に行った時、数十種類もの香水の前調、中調、後調を正確に当てることができ、その場にいた国際的な調香師が彼女を弟子にしたいと申し出たほどだった。

しかし、その申し出は彼女と母親によって断られた。彼女が断ったのは、ただ生まれつき嗅覚が良かっただけで、香水に特別な興味があったわけではなかったからだ。一方、母親が断ったのは、良家の子女が調香を趣味程度に楽しむのはよいが、本業にするものではないと考えたからだった。

だが、もし母親が...