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881話

「娘が眠ってしまったわ」

鐘麗雅は娘に一瞥をくれると、宋陽に向かって慎重に声をかけた。

「うん、じゃあ下に行こうか」

宋陽は鐘麗雅の黒ストッキングと赤いハイヒールを邪な目で見つめ、不敵に笑うと、こそこそとした様子の鐘麗雅を連れて、そっとドアを出てエレベーターに乗り込んだ。

鐘麗雅にとって、こんな大胆で刺激的なことをするのは初めてのことで、心の中は興奮で一杯だった。

宋陽の体を抱きしめながら、彼女は絶えず震えていた。宋陽には鐘麗雅の荒く急いだ呼吸が聞こえ、胸の激しい鼓動が伝わってきた。

エレベーターは一階ずつ下りていき、突然4階で停止した。それに鐘麗雅はさらに緊張して慌ててしまった。

ドア...