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356話

極楽によって体内のツバキの薬で徹底的に引き出された情欲から解放された秦文曼は、この時ようやく意識が戻り始めていた。うっすらと霞んだ目で、彼女を極楽へと導いた男をふわりと見つめる。

女性の心に入る近道は、その身体に入ることだと言われる。極楽の後の秦文曼の目には、目の前の宋陽が若い男性の魅力に溢れ、たくましく、そして彼女を引き寄せる存在に映っていた。

極楽の余韻の中で、秦文曼は自分が初めて本当の女として生きたような、本当に目の前のこの男に愛の川へと引きずり込まれたような感覚を覚えていた。

彼女は目の前のこの端正な男を愛していた。彼のたくましい体を、そして彼女にかつてない快感をもたらしてくれる...