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88話

「まさか?これ本当に林黛玉が使っていた宝物なの?」楚媚は興味津々に聞き、その簪を手に取って眺め回し、見れば見るほど気に入った様子だった。

「嘘なんかつくわけないでしょう。これはね、うちに代々伝わる宝物なんだよ。私はね、正直者でね、人を騙したりなんかしないんだ」店主は商談になりそうだと見るや、さらに話を盛り上げた。

「いいわ!これ買うわ。店主さん、いくらなの?」楚媚は簪を手に持ち、手放したくないという表情だった。

「三万…」店主は目をきらりと光らせ、手をこすりながら笑みを浮かべた。

「わかったわ!」楚媚は少し眉をひそめた。値段は高めだが、気に入ったものだし、彼女にとってこれくらいの金額は...