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583話

「どうやら今となっては三十三の鍵を手に入れるのは、ほぼ不可能だな。我々の実力はあまりにも劣っている」寧凡は目を光らせながら言った。自分の実力は既に魂象境に達しているとはいえ、この三十三大宗門と比べれば、まだまだ弱すぎるのだ。

莫老は黙ったまま、寧凡の傍らを見つめていた。気づけば寧凡の側に、いつの間にか一人の人物が現れていた。まるで幻のような存在感だった。

寧凡は一瞬戸惑い、同じく自分の横を見た。その人物の姿を見た途端、思わず声を上げた。「お前か!!」

目に飛び込んできたのは、あまりにも見覚えのある顔だった。この人物は、かつて自分をバミューダトライアングルの海底深くへ連れて行った不死の者だ...