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582話

敖曦は宁凡の言葉を聞くと、その祭壇へと視線を向け、瞳に白い光が点々と輝いていた。どんな瞳術を使っているのかは分からない。

しばらく見た後、敖曦は宁凡の方へ顔を向け、口を開いた。「生きている人間だ。ただし、なぜかこの体の魂はこの身体本来のものではない。この身体の中には二つの魂が存在し、身体の支配権を巡って絶えず争っているようだ」

宁凡と莫老はその言葉を聞くと、互いに顔を見合わせ、頷き合った後、祭壇のある方へと歩み寄った。

祭壇は宙に浮かんでいたが、二人がその下に来ると、透明な階段が見えた。それは上空に浮かぶ祭壇へと一直線に伸びていた。

「行くぞ」宁凡と莫老が同時に言うと、二人は祭壇へと向...