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510話

「うん」と蒙圩は頷いた。その後、彼は霸拳門の弟子たちに担がれて療養室へと運ばれていった。道中、弟子たちは色々と質問を投げかけてきたが、蒙圩はほとんど答える気が起きなかった。結局のところ、これは彼にとって辛い思い出だったのだ。

一方、二人の長老は顔を見合わせると、もはや試合を続ける気分ではなくなっていた。彼らは門主・荒無極の閉関場所へと向かった。

到着すると、入口では二人の老人が盤座していた。彼らから放たれる気息は強大で、明らかに武象境中期の実力者だった。彼らこそ霸拳門の二大護法であり、門主に次ぐ存在だった。二大長老でさえ、彼らの前では恭しく振る舞わねばならなかった。

「どうしたのだ?もう...