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507話

しかし、寒霧が現れてそう長く経たないうちに、突如としてある方向に集中し始め、中の光景が一気に露わになった。そこには宁凡が口を開け、すべての寒霧を吸い込んでいる姿があった。

「極氷がすべて融合した。古魔鍛体決は第三層への突破まであと一歩だ。惜しいことに、もしこれが極氷の残りのすべてなら、俺の力はさらに大きく伸びていただろうに」

宁凡は拳を握りしめ、体内に満ちる強大な力を感じながら微かに微笑んだ。今の自分の実力は、武象境中期に突破したばかりの頃よりも五割以上も強くなっている。今なら莫老と対峙しても、以前のように必死に戦わなくても打ち負かせる自信があった。

宁凡は左手を一振りすると、目の前に氷...