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393話

宁凡は苦笑いを浮かべた。だが天元戒の中にある念珠のことを思い出すと、気持ちが明るくなった。自分に時間さえあれば、必ず突破できるはずだ。そうなれば自信もつくだろう。

心の中の思いを押し留め、宁凡はゆっくりと玄関に向かい、外を見た。一人の男性と一人の女性が近づいてくるのが見えた。先ほど訪問すると告げてきた夏紫馨姉弟だった。

「お兄さん、わざわざ外まで出迎えてくれたの?」夏幼南は宁凡を見るなり駆け寄り、恐縮したような表情を見せた。

宁凡はそれを聞いて軽く笑い、「入りなさい」と言った。

家の中に入ると、宁凡は夏紫馨に視線を向けた。彼女の様子がどこか沈んでいるのに気づき、心が動いた。「夏家に戻っ...