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387話

その時、会場の議論が突然止み、すべての視線が入り口に集中した。いつも無表情な夏天雲さえも例外ではなかった。

夏家の議事堂の入り口に、一人の男女がゆっくりと姿を現した。それは紛れもなく夏紫馨と夏幼南の姉弟だった。

二人が議事堂に足を踏み入れた途端、多くの視線が一斉に自分たちに注がれるのを感じた。二人はわずかに眉をひそめたものの、すぐに平静を取り戻し、一歩一歩と大広間の中央へと進んでいった。二人の動きに合わせて、周囲の視線もぴったりと追従していた。

「夏家、夏紫馨、夏幼南でございます。家主様、二当家様、そして長老方、供奉の皆様にご挨拶申し上げます」夏紫馨と夏幼南は中央に立つと、堂々とした態度...