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349話

しかしこの状態は一瞬だけしか続かなかった。寧凡と武者の姿が電光石火の如く動き出し、互いに向かって突進した。

無限に近づいてくる寧凡を見て、武者は少しも油断できなかった。手にした八岐刀を思い切り前方に振り下ろすと、刀光が空気を切り裂いたかのように白い痕を描き、恐ろしい力を携えて寧凡の頭上へと落下していく。

寧凡は避けることも退くこともせず、刀光が自分に限りなく近づいた瞬間、その身が元の場所から消え失せた。再び姿を現したときには、すでに武者の背後に立ち、力強い両拳が翻って振り下ろされた!

「まずい!」武者は心底驚愕し、素早く後退しようとしたが、その拳は骨にまとわりつく疫病のごとく、武者の動き...