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331話

「さすがに妖術の天元の集は恐ろしい秘術だな。危機に陥った妖族が自らの力を増強させる最良の手段の一つと言える。肉体防御を高め、全身の力を引き上げる効果がある」

「だが、天元の集にも欠点がある。維持できる時間が短く、わずか一炷香の時間だけだ。お前は一炷香の間に私を倒せるとでも思っているのか?」寧凡の目には異質な殺気が満ち、口元に軽蔑の笑みを浮かべて言った。

「小僧、お前が何者なのか、どうして私の正体を知り、さらには我ら妖族の術までも把握しているのか分からんが、自分を買いかぶりすぎるな。小さな人族風情、多少の奇妙な力を持とうとも、私がお前を殺すのは造作もないことだ!」

妖獣は冷ややかに笑うと、...