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324話

注目を逃れた瞬間、あの謎めいた青年は突如として姿を消した。同時に、魔羅の胸に違和感が走り、思わず大声で叫んだ。「しまった、奇襲だ!!」

声が落ちるや否や、魔羅は手にした長刀を一方向へ横薙ぎに振るった。金属同士がぶつかり合う音が鳴り響き、昆仑府の者もようやく状況に気づき、素早く視線を向けると、手にした長剣を瞬時に動かし、その方向へ一閃、突きを放った!

「ドン!」

重い衝撃音とともに、一つの人影が吹き飛ばされ、水面に長い波紋を描きながら、再び姿を現した。魔羅たち二人の表情は険しく、彼らを襲撃したのは、先ほどまで動きもなく、容貌もはっきりしなかったあの謎の青年だった。

「こいつ!肉体...