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231話

数人が門の外に着くと、賑わっていた大広間が一気に静まり返り、全ての視線が夏紫馨たちに注がれた。

風痕が二歩前に進み、集まった多くの来賓たちを見渡しながら、ゆっくりと口を開いた。

「本日は皆様、この集いにお越しいただき誠にありがとうございます。今回の宴は私の風月譚で開催させていただきましたが、皆様方にご臨席いただけたこと、これは私にとって光栄の極みです。ここで皆様に一杯捧げさせていただきます!」

そう言いながら、風痕はグラスを掲げ、他の人々の反応も待たずに一気に飲み干した。

「風少爺はご冗談を。風少爺が私たち江城でもてなしをしてくださるなど、むしろ私たち江城の者にとっての光栄です。風少爺が...