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172話

「どうやらお前たちは腹を決めたようだな、私をここに留めることにな!」薛姓の青年はそう言うと、もはや多くを語らず、人象境初期の恐ろしい気勢を放った。

その圧迫感の下、十大護法たちは思わず後退し、ただ古狼一人だけが薛姓の青年の前に立ち、じっと青年を見つめていた。

「お前の全ての力を見せてみろ。さもなければ、惨めな死に方をすることになるぞ」薛姓の青年は冷たく古狼を見つめ、目に僅かな侮蔑の色を浮かべた。

「ほう?本気か?」薛姓の青年の言葉を聞いて、古狼は一瞬奇妙な表情を浮かべたが、すぐに平静を取り戻した。自分は人象境中期だが、薛姓の青年はただの人象境初期で、自分の気配を察知するのは難しいだろう。...