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59話

「王佳琦が私に頼む事って、いつもロクなことじゃない。だから今、あんな顔をした王佳琦を見ると、何だか胸騒ぎがするんだよな」

にこにこと笑っている王佳琦の姿を見ると、妙に落ち着かない気持ちになる。こいつ、また何をたくらんでるんだ?

「また何をさせようとしてるんだ?変なことさせようとしないでくれよ。絶対やらないからな!」

王佳琦は私の言葉など聞く耳持たず、私の腕を引っ張って学校の外へと向かった。

門のところで教頭先生が門番のおじさんと話しているのを見ると、今度は自転車置き場の方へ私を引っ張って、塀を飛び越えたのだ!

その塀はそれほど高くなかったし、以前から生徒たちが学校をサボるときに使って...