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53話

李秋実は目を見開いたまま、私が高校二年生に足蹴りを入れたことを信じられないという顔をしていた。

くそっ、場所なんて関係あるか?昔みたいに何かあるたびに引っ込んでたら、これからどうやって生きていけるんだ?絶対にこいつらの思い通りにはさせねえ!

「お前、俺を殴ったな!!李偉、お前、俺を殴ったな!!」

「なぜ殴れないんだ?もう一言でも言ってみろ?殺すぞ、てめえ!!」

李秋実をにらみつけて、一切怯まなかった。くそっ、こういう奴は明らかに弱い者には強く、強い者には弱い。強気で出れば、こいつがまだ何か言えるとでも?

「李偉、てめえ覚えてろよ!!」

「ああ、覚えてるさ」

冷ややかに鼻を鳴らして...